外反母趾の方のお悩みの一つ、『靴』についてお話しします。
外反母趾の痛みでご来院の方のお気に入りの靴やよく履く靴を見せてもらう事をよく行います。
みなさん色々な靴を履いていますが、その靴を選んで履いている理由を聞くと、「履きやすいから」「痛くないから」「幅が広いから」「軽いから」といったお答えが返ってきます。
そうですね、確かに履いていて楽というのは大切ですね。
でも、そんな靴が逆に外反母趾を悪化させていたりすることもあります。
では、どんな靴が良いのか？
それはズバリ「スニーカー」です。
しかし、スニーカーなら何でも良いのかというわけではありません。大きなポイントが４つあります。これは全て押さえたスニーカーを選んで頂きたいです。
①自分の足のサイズより１㎝程度、つま先に余裕のあるもの。
外反母趾の方はつい大きめの靴を選びがちです。気持ちはわかります。でも、やはりきちんと自分の足の大きさ、形にあったものを選んで下さい。（サイズは靴屋さんでちゃんと測ってもらいましょうね）
靴屋さんで試し履きして、「少しきついけど（ゆるいけど）そのうち足に合うだろう」という発想はしないほうがよいです。
合う靴がなかったら、その場は一旦帰って、別な店か合うサイズの靴を取り寄せてもらいましょう。
②ひも（またはマジックベルト）の靴が基本
かかとを靴の後ろにつけて、ひもはしっかり結びましょう。
面倒なのはわかりますが、足と靴を密着させることはとても大事です。靴ひもを結んだままで脱ぎ履きしているようでは良い靴を選んでも効果は半減です。
足の甲と靴の間に、指が入らない程度に結びましょう。きつすぎないように気をつけてください。
③ソフト過ぎない靴（雑巾絞りでねじれない）
靴底全体がフニャっと柔らかいものはかえって疲れます（学校の上履きのようなもの）雑巾をしぼるようにしたら捻じれてしまうものは柔らかすぎます。
靴底は少し固めで、指の付け根だけ曲がるものがよいです。（シャンクという靴の大事な機能がはいっています）
柔らかい靴はおしゃれなものも多いし、軽くて履きやすかったりしますが、良くないですよ。
④かかと周りがしっかり固い事
踏んだら潰れてしまうようなかかとの靴はNGです。
外反母趾や他の足の痛み、腰、膝、股関節に痛みがある方は、かかとが内側に倒れてしまっている方が多いです。
かかとがくずれないように、しっかりかかと周りが固くつくられているのは、靴選びの大前提です。
以上の条件が全て当てはまる靴を選んで頂きたいです。けして、マニアックな靴で探し当てるのが大変という靴ではありません。靴屋、スポーツショップにいけば大抵は置いてあると思います。
仕事上どうしても、スニーカーは履けないという事情もあるとおもいます。しかし、プライベートの靴はせめてスニーカーにしましょう。
デザインも大事ですが、できたら足の事をしっかり考えた靴を履いていただきたいです。
当院は、ご来院頂いた際に普段よく履く靴やお気に入りの靴もお持ち頂ければ、靴に対してのアドバイスもお伝えしております。
